写真展 復興する街区

写真に写された建築と街区から、復興の過程を垣間見る

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かつて広島市内が戦災の惨禍に見舞われた後、基町地区では、広島県や広島市などにより多くの応急住宅が建設されました。その後、年月を重ねる中で多くの人が住むまちが形作られるようになりましたが、徐々に住環境が問題となってきました。これら基町の住宅環境を改善するため再開発が行われ、1978年に基町住宅地区が完成しました。高層アパートや商業施設、公共施設などを有するこの地区は、広島における復興事業の総仕上げとも称されています。一方今日では、竣工から約40年を経て、建物の老朽化や少子高齢化、多文化共生への対応など、新たな課題が浮かび上がっています。この写真展では、基町住宅地区の過去と未来を、国内外の戦災復興事業の事例と照らし合わせながら探究します。ル・コルビュジエの設計によるユニテ・ダビタシオン(マルセイユ、ベルリン)、スタレ・ミアスト(ワルシャワ)、浦上地区(長崎)、戸山ハイツ(東京)などの写真を通じて、建築や街区がどのように人々の生活や文化を再建しようとしてきたか、そして、現在どのような状況にあるのかを垣間見ることができるでしょう。さまざまな時代と場所で撮影された写真を通じて、基町の復興事業を振り返り、新たな視点から基町を見つめ直す機会となれば幸いです。写真展の会期中には、様々な方々との対話を通して、基町の将来像を描くアイデアを交わし、10月の建築模型展「模索する基町」へと繋げていきます。皆様のご来場を、心からお待ちしています。

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